読んでもすぐ忘れる

本を読んでも、内容をすぐ忘れてしまいます。子どもを産んでから、ますますひどくなりました。読んだ記録とその時の気持ちの記録。

静かな狂気

『秋の牢獄』

夜市を書いた人の短編小説。

夜市もとても雰囲気のあるお話だった記憶がある。(詳しい話は例によって覚えていない)

湿度のあるホラーを書く作家さんだと思う。湿度もベタベタした感じではなく、じわっとした感じ。

 

じわっと背筋を

這い上がってくるような

寒気を感じた。

 

一番怖いのは

きっと人間。

そう思わされた。

 

 

お話としては、

何かに閉じ込められた

人たちのお話だった。

 

 

時間に閉じ込められた人

空間に閉じ込められた人

人に閉じ込められた人

 

どの主人公も

最初は普通の人だったのに

何か不思議な現象に巻き込まれて

 

気付いたら

取り返しがつかないぐらい

心がおかしくなっていることが

怖かった。

 

1話目より2話目、

2話目より3話目が怖い。

 

静かな狂気のお話たち。

 

 

以下はネタバレ?

3つのお話の

それぞれの感想

 

 

 

・秋の牢獄

この本の表題作。

11/17という日を繰り返す女の子の話。

特に目的も理由もなく、

何度も何度も11/17を繰り返す。

 

最初は一人でプラプラしていたが、

ある時同じように同じ日を繰り返している人に出会い、同じような人々のコミュニティがあることを知り、それらと繋がりそして離れていく様子は寂しさも感じる。

 

 

怖さは控えめ。

終わりが見えない孤独が怖いお話。

 

 

・神家没落

散歩をしていたら、

藁葺き屋根の家を見つけ

家主に招かれ、

1人家に残され

出られなくなるお話。

 

人間の思い込みと

執着が怖い。

 

 

・幻は夜に成長する

これが一番気持ち悪くて怖い。

 

終わり方も、

テレビをブチっと

切られたような感じで

それがまた怖さを増長する。

 

残るのは闇。

何か書くとこの物語を

損なってしまう気がするので

何も聞かずに読んで欲しい。

 

 

 

そんな感じの3つのお話。

 

この人のお話、

ホラーは苦手なんだけど

雰囲気や読後感が

好きだ。