読んでもすぐ忘れる

本を読んでも、内容をすぐ忘れてしまいます。子どもを産んでから、ますますひどくなりました。読んだ記録とその時の気持ちの記録。

推し燃ゆ

早々に『推し 燃ゆ』を買い

その場で読み終わり。

 

そんなに長くない。

読みながら、芥川賞っぽい。

コンビニ人間を思い出すな

と思いながら読む。

 

芥川賞の受賞作は

数冊しか読んだことないけど

(その数冊の傾向から)

こうべったり張り付くような

人間の何かを書いたものが多いイメージ。

 

 

 

芥川賞はおいといて、

『推し 燃ゆ』の話。

 

唐突だけど

私には推しがいない。

いや、推してる人が

いたこともあるし

物語の世界に推しはいる。

 

 

でも、この物語の熱量での

推しはいない。

 

 

だから、私の感想は

推しがいない人の感想だ。

 

 

 

さて、冒頭から推しは燃えてる。

ファンを殴ったことが原因だ。

 

生きづらさを感じている主人公は

推しを推すことで

生きている充足感を得ている。

 

そんな彼女は推しが

燃えていることに心を痛め

できる限りの支援をし、

そこに報いがあったことで

推しへの執着を強めることになる。

 

 

 

ここまで読んんでいると

推しのいる生活はこんな感じか。

うんうん。たのしそうね。

人生の潤いだね。

 

私にも推しがいたら

楽しかったのかなぁ…

と思ったりしていたのだけど

 

 

この後からが本当に

なんというか地獄だった。

 

 

 

推しを推すことが人生だ。

みたいな彼女を見ていると

 

 

自分じゃないものを

人生の中心に据えることの

弊害みたいなものを感じる。

 

 

自分以外のものは

人でも物でもコントロールできない。

コントロールできないものに

人生を委ねて振り回されては

いけないのだろうなぁ。

 

 

でも、この主人公

自分自身もコントロールできてなくて

苦しんでいたから、

 

なおさら読んでいて

辛かった。

 

結局どうすれば

よかったのかな…

と読み終わって思う。

 

 

 

彼女が出した答えは

おおおおお。

 

そういう意味で

すべて放り投げたか…

 

へ?人間やめんの?

とも思ったけど、

 

今感想書くために

最後の最後を読み直して

 

 

このラストは

 

彼女が

自分を拾い集める

最初の一歩なのかもしれない。

 

最後に投げて

拾ったそれは

白ければ骨のようにも

見える気がする。

 

骨と一緒に

全てを拾えれば

いいよね。

 

 

生きていたら

ままならないことが

たくさんある。

 

私には推しがいない。

ままならない人生を

支えてくれる推しはいない。

 

だから、この物語を

こういう風にしか

理解できなかったな。

 

 

もしいつか私に

推しができて

 

その推しを

失う日がきたとに

また読み直したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと、蛇足的な最後。

やっぱり主人公には、

適切なサポートが

必要だったと思う。

 

 

病院に行くことも

薬を飲むことも

多分自分一人で

コントロールすることは

難しかったんじゃないかな。

 

もっと小さい頃から、

サポートがあれば

家族の形も

違う最後になったのでは

と、思ってしまった。